大会長ご挨拶
GREETING

本学会は、細胞外小胞研究の発展と普及を目的として設立されて以来、基礎から応用、臨床に至るまで、様々な研究者が交流し議論する場として発展してきました。本研究分野が幅広い分野から関心を集めている現在では、その意義も一層大きくなっています。
細胞外小胞研究は、この十数年で大きく進展し、がん、免疫、神経科学、再生医療など多様な生命現象や疾患との関わりが明らかになってきました。応用展開としては、細胞外小胞を利用した治療用製剤の開発や疾患診断に向けたバイオマーカー開発が着実に前進し、現実的な段階に入りつつあります。その背景には、産業界、アカデミア、臨床現場の連携が重要な役割を果たしており、こうした流れは近年進められているガイドライン整備にも反映されつつあります。
さらにこれらの要求に応える形で、分離・精製技術が進歩するとともに、オミクス解析、イメージング技術など先端的な分析手法の応用が進んできました。近年の著しい技術的発展は、基礎研究においても、細胞外小胞の生物学的意義やその機能・制御を司る分子機構をより深く掘り下げることを可能にしつつあります。細胞外小胞の生合成、積荷分子の選択、分泌、標的細胞への取り込みといった一連の過程はいずれも複雑ではありますが、多くの研究者が独自のアプローチにより、それらの解明に取り組んでいます。
このような、基礎・応用両面での研究の進展は、細胞外小胞研究に携わる研究者にとって大変心強いものです。しかしその一方で、お互いの関心が離れていく一面もあります。細胞外小胞に関わる多くの研究者が集う本学会は、基礎を志向する研究者にこそ様々な応用の広がりを体感する場として、また応用を志向する研究者にはより深いメカニズムを意識する場として、機能することが求められているのではないでしょうか。
このような背景のもと、第14回となる本学術集会では「細胞外小胞研究の深化と展開」をテーマといたしました。基礎から応用、臨床まで幅広い研究者が集い、それぞれの視点から研究の深さと広がりに目を向けて頂く機会としたく存じます。本大会が新たな連携や研究の展開、さらには応用や臨床への橋渡しにつながり、次世代の細胞外小胞研究が芽吹く場になれば幸いです。
細胞外小胞研究のさらなる発展に資する場となることを願っております。多くの皆様のご参加と活発なご議論を賜りますようお願い申し上げます。

第14回日本細胞外小胞学会 大会長
愛知県がんセンター研究所
小根山千歳

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